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カブトムシの収納術

論文が公開されました。



頭の中の角原基はなんともしわくちゃである


カブトムシの角原基は、幼虫の頭の中にある、蛹の角の元となる組織です。

しわくちゃにたたまれていて、蛹の角と似ても似つかない見た目をしています。

2017年の論文では、この角原基が、膨らませると蛹の角の形にきちんとなっていることを示しました。


コンピュータ上に再現した角原基の形を膨らませてみると、蛹の角が出現する



カブトムシの幼虫は、これだけの大きなものを、頭の中という限られた空間の中で、細胞のシートの上にしわを入れていくことでつくり上げています。では、そのしわというのはどういったものなのでしょうか?


例えば同心円のしわを入れれば、コーンができる


そのしわについて詳しく調べたのが、今回の論文になります。ざっくりと説明すると、下のような形になります。


場所ごとに異なる特徴を持つしわを使っている


角原基を大きく3つの領域に分けて、それぞれの折りたたみを見てみます。

先端の四分岐構造をつくる部分は、三次元の形を作るための、特徴的なパターンを持ったしわがあります。

真ん中の円筒状のところのしわは、ズボンの裾を上に引っ張ったときにできるしわ(下図)のように、他のところから力を受けたと思わせる特徴を持っています。

論文の図にもなった後輩のズボン


円筒は、切り開けば平面なので、形づくりという点で先端部分と違うしわがあるというのも納得な感じがあります。

最後の体と角の接合部のところは、腹側により多くのしわをつくることで、角の向きを変えるのに役立っています。

詳しい話は、ぜひ論文の方を読んでいただけたらと思います。聞きたいことがあればいつでも連絡いただけると嬉しいです。


今後も自分が面白いと思ったことを論文にできていければいいかなと思います。

今回の論文もたくさんの人に助けていただいて出来上がったものですが、やはり夢は単著論文ですね。いつかは出せたらいいなと思っています。

では。


松田

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